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とやまのアスリート(第3回)

 今回は、富山武道館の剣道教室で練習に励んでいる少年の作文をご紹介いたします。

 この作品は、(財)全日本剣道道場連盟主催の剣道少年団研修会「体験・実践発表会」富山県大会で最優秀賞を頂き、その代表1名が12月17日の中部地区大会(静岡県)で発表する予定となっております。

 ぜひ、ご一読ください・・・

 

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  剣道と「仁」
       富山武道館六年 森 勇人

 

 「この胴を見てください」
 このマークは先生がデザインした、富山武道館剣道教室のシンボルマークです。
 「仁」という漢字を使ったもので、稽古中は道場に、大会の時は会場にもこのマークが描かれた大きな旗が張られます。
 僕は下級生の頃、ただ格好良いマークだな、と思って見ていましたが、昨年の夏休みにある事件が起こりました。おじいちゃんの家で、ある本と出会ったのです。


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 僕のおじいちゃんも昔剣道をしていました。
 おじいちゃんの家にはたくさんの剣道の本が並んでいます。その中でも僕が読んでみようと思ったのは新渡戸稲造さんの「武士道」という本でした。

 
 その本では、新渡戸稲造さんが武士道にとって重要な要素を七つの徳目として紹介しています。
 「義」・・・正しい道
 「勇」・・・強い心
 「仁」・・・人を思いやる心
 「礼」・・・礼儀
 「誠」・・・偽りのない姿
 「名誉」・・武士そのものの存在
 「忠義」・・真心を尽くすこと
 そして、この七つの中でも人として最も大切なのが「仁」。「仁」がなければ本物にはなれない、と書かれていました。

 

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 僕は衝撃を受けました。ただ格好良いと思っていたマークにこんな意味があったなんて・・・。
 早速次の稽古で先生にその話をしました。
 先生はとっても喜んでくれました。

 
 その日から今日までの一年間は、僕の中にしっかりと「仁」があります。
●稽古は、剣道教室全員で力を合わせて頑張る。
●下級生が困っていたらすぐに動く。
●率先して準備や片付け、掃除をする。
●トイレのスリッパを綺麗に並べる。
 などなど、まだまだ挙げればきりがありません。
 僕は剣道とサッカーの両方を習っていましたが、結局剣道を選びました。これもこの本と出会ったからなのかもしれません。
 団体戦で僕のせいでチームが負けて泣いていたら仲間が「勇人、惜しかったね」と声をかけてくれます。剣道教室の仲間と遊んでいると皆が優しくて嬉しい気持ちになります。
 剣道の仲間には「仁」があります。僕は剣道を選んだというよりも剣道の仲間を選んだのです。

 
 今、僕にとって剣道は宝物です。
 この剣道を大人になってもずっと続けていきたいと思っています。
 新渡戸稲造さんは、アメリカに日本を紹介する為に英語で本を書いたそうです。
 日本人の心は武士道にあると考えたそうです。
 書かれた本「武士道」はアメリカでたくさんの人に読まれ、感動させたそうです。
 英語の「武士道」が和訳され、ようやく日本人にも読まれるようになった、という話も聞きました。
 僕は大好きな剣道を続け、現代の新渡戸稲造になりたいと思います。
 日本中に、世界中に、もっともっと剣道を知ってもらい、世界中を「仁」でいっぱいにしたいです。
 そしていつの日か剣道を通して戦争のない平和な世界ができる事を願っています。

 

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